債務整理基礎知識
保証人と連帯保証人の違い
保証人とは債務者を保証する補完的な存在ですが、連帯保証人には債務者本人と同等の責任があります。責任の範囲も債務者と同じです。このように保証人に比べて連帯保証人には重い責任が課せられていますので連帯保証人を求められる場合が多いのが現状です。
連帯保証人にはなくて保証人が有している3つの権利
- 債権者が主債務者に十分な取り立てをせずに保証人に返済を求めてきたときには先に債務者から取り立てるように言うことができる催告の抗弁権という権利。
- 債務者に返済可能な財産があるのに返済をしない場合、強制執行等で債務者の財産を優先的に取り立ててくれと言うことができる検索の抗弁権という権利。
- 保証人が複数いる場合、保証人はその頭数で按分した金額しか保証しない分別の利益の権利。
改正貸金業法とは
2006年12月に貸金業の規則等に関する法律等の一部を改正する法律(改正貸金業法)が成立し、公布され、2010年6月には完全施行されました。
過剰な貸付の防止のため、個人が借入できる総額を年収の3分の1に制限する総量規制が盛り込まれました(クレジットカードでの商品購入、銀行のカードローン、住宅ローン、自動車ローンなどは除く)。出資法の金利上限が20%に引き下げられ利息制限法と出資法の定める金利の間にあったグレーソーン金利は廃止されました。また、その他の主な変更点としては取立規制の強化とともに貸金業者の参入規制も強化され、無登録業者や高金利に対する罰則が引き上げられました。さらに、1回の借入が50万円以上の場合や他の貸金業者を含めた借入額が100万円を超えるケースでは貸金業者より収入を証明する書類の提出を求められるようになりました。
非免責債権とは
自己破産手続きでは、免責の確定により、すべての債務が免除されるのが原則ですが、例外的に免除されないものがあります。このことを非免責債権と言い、破産手続きによって免責が確定された場合でも法律上免責されない債権のことです。
租税等の請求権
税金や社会保険料等など
破産者が悪意で加えた不法行為に基づく損害賠償請求権
破産者が故意に他人を騙してお金を搾取したことに対する損害賠償など
破産者が故意又は重大な過失により加えた人の生命又は身体を害する不法行為に基づく損害賠償請求権(前号に掲げる請求権を除く。)
傷害による損害賠償や著しい不注意による交通事故による損害賠償など
次に掲げる義務に係る請求権
イ 民法752条 の規定による夫婦間の協力及び扶助の義務
ロ 民法760条 の規定による婚姻から生ずる費用の分担の義務
ハ 民法760条 (同法749条 、771及び788条において準用する場合を含む。)の規定による子の監護に関する義務
ニ 民法第877条 から第880条 までの規定による扶養の義務
ホ イからニまでに掲げる義務に類する義務であって、契約に基づくもの
婚姻費用や,離婚した子どもに対する養育費など
雇用関係に基づいて生じた使用人の請求権及び使用人の預かり金の返還請求権
従業員への未払い給与など
破産者が知りながら債権者名簿に記載しなかった請求権(当該破産者について破産手続き開始の決定があったことを知っていた者の有する請求権を除く)
申立ての際に、裁判所に申告をしなかったもの
罰金等の請求権
刑事罰・行政罰による科料など